公開セミナー
強相関電子系では、多自由度の相関により、しばしば、非自明な秩序状態がもたらされる。強磁場は、強相関電子系の磁性、次元性、輸送現象、軌道などに大きな影響を与えるため、様々な磁場誘起相転移の研究が行われている。本セミナーでは、強磁場下でもたらされる相転移として、高温超伝導体の電荷秩序、磁場誘起価数転移、低次元電子系の不安定化の3つを取り上げ、放射光X線および自由電子レーザーを用いた、これらの相転移の最近の研究について紹介する。X線を用いると、結晶構造の対称性の変化や吸収スペクトルの変化を通して、秩序状態とその波数や次元性、相関長、あるいは、元素毎の電荷や磁気状態を調べる事ができる。
連絡先: 物理科学専攻 野口 悟 (内4074)