第6回関西核多体セミナー

Thursday 12 Sep 2024, 15:30 → 17:30 Asia/Tokyo

第6回関西核多体セミナーのお知らせ

• 日時：2024年9月12日(木) 15:30
• 場所：大阪公立大学文化交流センター・ホール
  〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2−2−600 大阪駅前第2ビル6階
• 講演者：藤井 俊博（大阪公立大学）
• 題目：極高エネルギー宇宙線観測と原子核物理の「交差点」
• 概要：宇宙線の研究は、宇宙での激烈な天体物理現象との関連性だけでなく、素粒子と物質とのあらゆる相互作用の標本を見せてくれることから原子核物理学とも関わりがある。また近年の宇宙線観測によって、100エクサ電子ボルトを超える巨視的なエネルギーをもつ粒子が観測され、それらの粒子は陽子よりも重たい原子核を支持する結果が報告されている。宇宙マイクロ波背景輻射と極高エネルギー原子核の相互作用を調べることは、原子核の巨大双極子共鳴の理解につながるため、宇宙線観測と原子核物理との「交差点」として期待されている。本講演では、宇宙線観測の歴史や観測手法、そして観測史上最大級のエネルギーをもつ宇宙線「アマテラス粒子」を含む最新成果を紹介し、宇宙線観測と原子核物理の分野融合研究について自由闊達に議論したい。
• 講演スライドはこちら

 

「関西核多体セミナー」とは

原子の内部に小さく存在する原子核は、陽子や中性子と総称される核子からなる多体系である。この核子の多体系である原子核の構造を明らかにすることが、核子多体の物理学である。核子多体の物理学は、それ自体が量子力学的な重要性を持つと同時に、「我々の身の回りに存在する元素が、宇宙のどのような環境において作られたのか」と言った根源的な問題とも密接に関連している。核子多体系である原子核は、最近ではがん治療などの応用面でも注目を集めている。

本「関西核多体セミナー」は、大阪公立大、京都大、大阪大などの関西地区の大学において第一線で活躍する当該分野の理論の研究者が中心となり、企画するものである。毎回セミナー形式で研究成果の発表を行い、その後、十分な時間を自由な意見交換にあて、インフォーマルな議論を活発に行うことで、当該研究分野の活性化と将来の展望を切り拓くことを目的とするものである。

具体的に議論すべき物理学の内容としては、現在稼働中の理化学研究所・RIBFや大阪大RCNPなどの国内の加速器実験施設や国外の実験施設から提供される、不安定核・超重核・高励起状態・高スピン状態などのエキゾチックな原子核に関する数多く問題に対して、理論面からいかに迫っていくべきか、などが挙げられる。

過去の開催

• 第5回関西核多体セミナー
• 第4回関西核多体セミナー
• 第3回関西核多体セミナー
• 第2回関西核多体セミナー
• 第1回関西核多体セミナー

240912_KansaiKakuTataiSeminar_Fujii.pdf