日時:2026年10月31日(土)14:00〜18:00
会場:大阪公立大学 森之宮キャンパス 中教室404
講演者:石橋 延幸 氏(筑波大学)
題名:The Fokker-Planck formalism and string field theory
概要:
弦の場の理論(string field theory)とは、弦理論の非摂動的定式化を得るために、弦の摂動論を再現するように弦を第二量子化した理論を作ろうというアプローチである。弦の摂動論に現れるファインマンダイアグラムはリーマン面に対応するので、弦の場の理論を作るためにはすべてのリーマン面を簡単な要素に分解する規則を見つけることが重要になる。
数学においては、リーマン面をパンツ状の面に分解するパンツ分解と呼ばれる方法が古くから知られており、リーマン面のモジュライ空間を研究するための強力な武器になっていた。パンツ分解を弦理論に応用しようというアプローチは、1980年代に試みられていたがうまくいかないとされていた。
近年、2000年代にMirzakhaniによって発見された手法を用いれば、パンツ分解を用いた弦の場の理論を構築できることがわかった。また、Strebel微分を用いたリーマン面のモジュライ空間の記述を用いた弦の場の理論も同様の方法で作ることができる。これらの理論は、1990年代に構築された非臨界弦の場の理論の臨界弦への拡張と考えることができる。
本講演では、これらの発展について解説する予定である。