題目:ガンマ線バーストと重力波天文学
講師:米徳 大輔 氏(金沢大学 数物科学系(物理) 教授)
日時:2018年12月19日(水) 16:30-17:30
場所:理学部会議室(E108)
概要:宇宙最大の爆発現象であるガンマ線バーストの中でも、継続時間 が短いショートガンマ線バーストは、連星中性子星やブラックホール・中性 子星連星の衝突・合体と密接に関連している。2017年8月17日に検出 された連星中性子星の衝突・合体から 1.7 秒ほど遅れて、ショートガンマ 線バーストと考えられるガンマ線放射が検出され、その後、マクロノヴァと 呼ばれる可視光から赤外線で輝く突発天体が観測された。 重力波観測と電磁波観測が融合した「重力波天文学」は、今後、急速に発 展する学術分野であり、様々な将来計画が考えられている。金沢大学では、 50 cm/50 kg 級の超小型衛星によるX線突発天体の観測を目指している。 また、将来の本格的な重力波天文学へ向けて、国内のガンマ線バースト研究 者で組織する HiZ-GUNDAM と呼ばれる衛星プロジェクトを計画している。 本講演では、特にX線・ガンマ線観測を中心とした重力波天文学についてま とめ、将来プロジェクトで目指す科学について紹介する。