第1回関西核多体セミナー

Asia/Tokyo
大阪公立大学文化交流センター

大阪公立大学文化交流センター

〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2−2−600 大阪駅前第2ビル6階
Description

第1回関西核多体セミナーのお知らせ

このたび、関西地区における核多体物理学の自由な意見交換の場となることを目指して、「関西核多体セミナー」を立ち上げます。その第1回を、5月19日に、大阪公立大学の文化交流センター(大阪・梅田)のホールにて開催いたします。多くのご参加をお待ちいたしております。


●日時        2023年5月19日(金) 15:40 – 17:20

●場所        大阪公立大学文化交流センター・ホール
                〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2−2−600 
                 大阪駅前第2ビル6階 
                 https://www.omu.ac.jp/bunkakouryu-center/

●講演者      堀内 渉(大阪公立大学)

●タイトル    「陽子弾性散乱でみる原子核のアルファクラスター構造の痕跡」

●概要

ヘリウム原子核(α粒子)はそれぞれ2つずつの陽子、中性子が強く束縛した4核子系であり、しばしば原子核の中でクラスターと呼ばれる部分系を形成する。それぞれの原子核が実際にクラスター構造を持つのか、それとも原子核の標準的な見方である殻構造を持つのか、どうすればはっきりと区別できるのであろうか?

本研究はこのような原子核の基礎的な問題に対し、簡便かつ有効な方法により答えを与える試みである。クラスター構造と殻構造を一つの枠組みで表現できる反対称化準クラスター模型(AQCM)を、我々の身の回りにある重要な元素である炭素、酸素、ネオン、チタンなどに適用した。その結果、得られた炭素や酸素原子核の密度分布は、クラスター構造を仮定した場合と殻構造を仮定した場合で大きく異なる。その違いは、高エネルギーの陽子弾性散乱によって可視化されうることを示す。


●「関西核多体セミナー」とは

原子の内部に小さく存在する原子核は、陽子や中性子と総称される核子からなる多体系である。この核子の多体系である原子核の構造を明らかにすることが、核子多体の物理学である。核子多体の物理学は、それ自体が量子力学的な重要性を持つと同時に、「我々の身の回りに存在する元素が、宇宙のどのような環境において作られたのか」と言った根源的な問題とも密接に関連している。核子多体系である原子核は、最近ではがん治療などの応用面でも注目を集めている。

本「関西核多体セミナー」は、大阪公立大、京都大、大阪大などの関西地区の大学において第一線で活躍する当該分野の理論の研究者が中心となり、企画するものである。毎回セミナー形式で研究成果の発表を行い、その後、十分な時間を自由な意見交換にあて、インフォーマルな議論を活発に行うことで、当該研究分野の活性化と将来の展望を切り拓くことを目的とするものである。

具体的に議論すべき物理学の内容としては、現在稼働中の理化学研究所・RIBFや大阪大RCNPなどの国内の加速器実験施設や国外の実験施設から提供される、不安定核・超重核・高励起状態・高スピン状態などのエキゾチックな原子核に関する数多く問題に対して、理論面からいかに迫っていくべきか、などが挙げられる。

 

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